第3回「桐ってどんな木?」

実は・・・桐ってすごいんです。

今回は、箱にまつわるお話ではなく、原材料の桐を紹介します。
これを読み終えたアナタはきっと、桐箱が欲しくなっているはず!

1 桐の特性

  桐は、昔から「箱」に適している木材とされ古来より用いられてきまし
 た。そんな桐のスゴイところは何といっても軽く柔らかいそして調湿性に
 優れており、大切な物を長期間、最良の状態で保管し続けることができる
 ことです。
  「軽く・柔らかい「ということは衝撃に弱いんじゃないの?と思う方も
 いるかもしれません。
 しかしその「柔らかさ」こそが衝撃を吸収し、中のものをしっかり守るこ 
 とができるのです。しかも、桐は表面が少しくぼんでも湿らせることで、
 へこみが元の状態に戻るという強みもあります。

 他にも、調湿性や耐熱性に優れており水害時や火災時における過酷な環境 
 下でも、桐のチカラで中の大切なものを守り続けることができます。

 このことから、桐は「箱」にとても適した木材であると言えます。

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桐は日本一、世界では二番目に軽い木

※桐の成分について
 桐は黒く変色してしまうという特性があります。これは桐に含まれる
 「タンニン」という成分が表面に出てきたことによる状態になります。
 この「タンニン」と呼ばれる成分は「防腐・防虫」の役割を果たし、黒く
 なる状態は桐が正常に働いてくれているという証拠なのです。

2 桐の種類
  弊社で取り扱っている主な桐材です。
  ◆米桐(アメリカ産)
  桐の中では比較的固い木材であり、木目がはっきりと出ておりワイルド
  な印象の木材
です。高価な箱や1点物の箱に多く使用されています。
  米桐は自然育成で30年以上の長期育成がなされ、伐採後もしっかりと
  乾燥等の工程を踏むため、お値段は多少高くなりますが一生モノの箱が
  欲しい方にはオススメです。 

  ◆中国桐(中国産)
  米桐に比べて、柔らかく優しい印象の木目です。
  成木になるまでは10年~20年であり成長が早いため、大量生産や
  低価格の箱によく使用されています。
  中国桐は品質ランク「AA材 A材 AB材 B材 C材」※と5段階に区分されて
  おり「A材」以上が良質な柾目とされています。
  ※弊社ではAA材 A材 AB材をお取り扱いしています。


      中国桐と米桐(並柾~上柾~特上柾)のイメージ
下の写真は、それぞれの板の写真になります。
右側の特上柾に行くほど、価格帯も高価になります。

お値段はそれぞれ変わってきますが、中国桐と米桐それぞれの良いところがありますので、皆さんのお気に入りの桐を選んでみてください。

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同じ「米桐」でも柾目がこんなに違ってきます。

3 桐と日本人の関係性
  皆さんは「桐」と聞くと、嫁入り道具の桐箪笥を思い浮かべる方が多い 
  のでないでしょうか?
  桐は約15年から20年という早い時間で成木するため、日本では女の
  子が生まれたら家の庭に桐を植えて、その女の子が成人する際、成木し
  た桐を箪笥に加工し嫁入り道具として持たせていたと謂われています。
  現代では、なかなかこのような文化や風習を続けているご家庭は多くな
  いかもしれません。
 
  最近では、桐の加工も姿形を変え「乳歯ケース」などの小型箱に変化し
  てきました。
  加工工程やサイズの変化をあれど、親が子を思う気持ちはいつの時代も 
  変わりませんね。


桐のすごさがわかっていただけましたか?
ちなみに桐の花言葉は「高尚」
品のある桐箱にぴったりの花言葉だと思いませんか?

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桐の花

最後に・・・・
桐箱は私たちの生活にも馴染み深く、これからも一緒に寄り添っていく箱でもあります。
皆さんも世代を超えて受け継がれる大切な物と一緒に思いや願いも詰め込んで次の世代へ贈りませんか?

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